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新たなスタートにのぞんで [学校]

かつての学校では、卒業アルバムに文集がついていた。担当学年だと、結構長い文章を書いていたように思う。
24年前、教師となって6年目に書いた卒業文集の文章です。


「新たなスタートにのぞんで」

 3年前、卒業式が終わってから、髭(ヒゲ)をのばし始めました。初めは、「汚い」「似合わない」などいろいろ言われましたが、3ヶ月もするとみんな諦めました。どうして髭などのばし始めたか、いろいろな憶測がささやかれましたが、理由を説明したことはありません。とにかく、卒業式の日までのばし続けるとだけ言い続けてきました。

 1年生、おこることの多かった1年間でした。パンが足りなくなったこともありました。おにぎりが飛んできたこともありました。事件の連続でした。髭の効果はあまりなかったようです。誰も髭に惑わされることなく、すぐ、私の甘さを見抜いてしまいました。忙しく、しかし、楽しい1年間でした。
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 2年生、中だるみの学年といわれる1年間なのに、みんなのやさしさ、すばらしさに感動ばかりしていたような気がします。雨の中のはんごうすいさん、林間学校、文化祭、球技大会、いろいろな活動が楽しかった。バスレクなども、自分たちで企画し、みんなが協力してできました。自主的に班長会がおこなわれるようになり、そこからの意見が職員会議を動かして、クラスレクでの運動施設の利用が可能になったりもしました。
 合唱会での歌声は今でも耳に残っています。特に「雪原に生きる」「樹氷の街」を歌って、学年2位となり、もらった花束、そして、その花束をプレゼントしてくれたクラスの生徒のやさしさは、一生忘れられないものとなりました。2年生最後の日、また、花束をもらい、文集を配ったら、まるで卒業式を迎えたような気がしてしまいました。

 3年生、最高学年として学校の中心となる年、進路決定の大事な1年間、いろいろな問題も起きて、エネルギー120%で怒鳴ったこともありましたが、さすがに3年生と思われる成長したみんなの姿も多く見ることができました。修学旅行、体育祭、文化祭など、それぞれ、いろいろな場面で中心となる人がでて活躍してくれました。しおり作りをした人、寺院の説明役をした人、時刻表と格闘した人、クラスレクを企画した人(ちなみに、この時のハンカチ落としはおもしろかった)修学旅行ひとつをとってもいろいろな場面で、いろいろな人が自分の役目をしっかり果たしてくれました。すばらしかったと思います。

 3年という年月がたち、一つのゴールを迎えました。髭ともお別れの日がきました。自分自身の3年間を思い返すと、悔やまれることが沢山あります。初心を貫けたのは「髭」という表面的なところだけのような気さえします。「髭」に込められていたいろいろな決心は、数多くの挫折の中で消えていってしまったようにも思われます。

 義務教育を終え、それぞれが違う道を歩き始めます。ゴールは新しいスタートでもあります。これまで、悩み苦しんで得たものは、君達の大きな支えになるでしょう。しかし、過去にしがみついている必要はないと思います。失敗を繰返しながらでも、大きく胸をはって自分の新しい道を進んでいきましょう。自分自身を過信しても、みくびってもいけないと思います。ひたむきに努力をしていけば、かならず何ものかをつかむことができるはずです。あせらず、着実に、前進していきましょう。
 つねに新しいゴールをめざして・・・・・・・・。

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